勇壮な津軽三味線をポップにビートに弾きまくる
津軽三味線「万華鏡」リーダー
澤田勝紀さん
 勇壮で哀調を帯びた太棹の音、激しいリズム。
津軽三味線の名手として活躍中の澤田勝紀さん(43才・青葉区田奈在住)が『その音色』に出会ったのは高校生の時だった。「友達とロックバンドを組んでギターを弾いたりしてて、音楽大好き少年だったですね。レコードもよく聴いていて、その中のアルバムの一曲に津軽三味線が入ってたんです。新鮮な感じがして、いい音だなぁって…」当時は民謡ブームで、たまたま両親が習っていたこともあり、家(神奈川県津久井)の近くの三味線の先生の所に通い始めた。
「左手はギターとそんなに違わないんですよ。ロックと共通するリズムやスピード感、音色に魅せられてしまいました。親は自分の唄の伴奏でもしてくれればという気持ちで習わせてくれてたみたいなんですが、続けるうちにテレビやレコードで聴く音と、自分の音が違うことに気づいて…」
もっと本格的に津軽三味線がやりたい||。熱意が実り弘前出身でつきみ野に在住していた高名な澤田勝秋に弟子入りが叶った。地元の銀行勤めのかたわら、津軽三味線にどんどんのめり込んでいく日々。「修業といっても昔と違い、通いだったしそんなに厳しくはなかったですよ。でもみっちり基礎から仕込まれました」そして4年、先生から「仕事をしてみないか」と声がかかった。新宿の高級料亭でプロの歌手の伴奏、これは先生も若い頃、通ってきた道でもあった。
「嬉しかったですね。よしっ三味線一本でやっていこう、これで食っていこうって。銀行を辞めて、プロになりました」27才、新たな門出であった。「日々、勉強でしたね。知らない曲のリクエストも多くて」技術的にも人間的にも大きく成長したのがこの時期だろう。この仕事を皮切りに仲間も増え、活動の場も次第に広がっていった。
93年、先輩の口利きで細川たかしの専属となり、新宿コマ劇場や名古屋、博多などの劇場公演に同行、その技量が認められ、大舞台でのソロ演奏も務める。NHK紅白歌合戦にも細川たかしのバックで2回出場するなど、確実に実績を積んできた。今年も秋に博多座、新宿コマと忙しいが、自分のめざす音楽活動にも積極的に取り組んでいて、和太鼓との協演、ポップスにアレンジしたライブ活動etc。3年前立ち上げたダンス&ビート「津軽三味線・万華鏡」の活動もそのひとつ。パーカッションにベースを加え音に厚みを出し、早いビートで弾きまくり、叩きまくるライブ。そして双子姉妹の踊りを加えた華やかでパワフルなステージ。その迫力は定評がある。
3年前結婚し津久井から田奈に。昨年は長男も誕生した。『万華鏡』の一字をとって鏡平。「今の楽しみは二つかな。三味線を弾くことと、鏡平…」津軽三味線の音色は十人十色と言う。弾く人によって音はさまざま。父になった澤田さんの音はますます深みをましたに違いない。

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